製造業の営業手法とは?種類・課題・営業戦略・新規開拓のコツを解説

製造業の営業手法とは?種類・課題・営業戦略・新規開拓のコツを解説

製造業の効果的な営業手法について、リサーチしている企業担当者はいらっしゃいませんか。

製造業において、積極的な営業は必須のアクションです。待っていても顧客はやってこないため、企業が能動的になって顧客とのつながりを増やし、深めていかなければなりません。

とはいえ、製造業にはどのような営業手法があり、それぞれどのような特徴があるのかを理解しておく必要があります。

今回は、製造業における営業手法の種類や課題、効果的な戦略などについて詳しく解説していくため、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

製造業の代表的な営業手法

製造業の主な営業手法は、大きく10種類存在します。それぞれの特徴や期待できる効果などについて見ていきましょう。

ダイレクトメッセージ

製造業の営業手法の一つとして、まず挙げられるのがダイレクトメッセージです。

ダイレクトメッセージとは、SNSやビジネス系のサイトなどで個別に直接連絡することを指します。

事前に相手の業種や役職、関心を寄せている分野などを確認できるため、あらかじめある程度ターゲットを絞ったうえで、効率的に連絡することが可能です。

一般的に、ダイレクトメッセージは無視されやすいと言われることもあります。しかし、営業色を抑えつつ、課題解決を提案するニュアンスのメッセージなら反応が得られる場合も多いです。

飛び込み営業

飛び込み営業は、担当者が直接企業に訪問して営業するスタイルのことです。製品カタログやサンプルを持参して、その場で売り込んでいく手法が主流とされています。新規の見込み顧客との接点を一気に増やせるといったメリットがある一方で、効率が悪いのがデメリットです。

相手が業務時間内であれば、本業で忙しいことも多く、断られることがあるためです。飛び込み営業はアポなし訪問となるため、そもそも企業からすると迷惑と感じることもあります。

ただ、地域密着型や建築・施工業界にはまだ有効なケースも多いです。お互いの貴重な時間を必要以上に奪うことにならないよう、事前に情報を整理しておいたり、アプローチする業界・業種をしっかりと絞っておいたりして、事前準備を徹底しておきましょう。

電話営業

電話営業は、製造業でよく見られる営業手法の一つです。インターネットが普及している現代でも、まだまだ電話営業でのアプローチを中心としている企業は少なくありません。

メール営業と比べてスルーされにくく反応を得やすいといったメリットがあり、直接話すことで「声色」「話し方」などを工夫すれば信頼を獲得しやすいものです。

とはいえ、アポなしでの電話営業は、相手にとって迷惑になることも多く、せっかく繋がっても「必要ありません」と切られてしまうことも多いでしょう。また、電話を受けた担当者の判断でその後に決裁者につないでもらえるか否かも変わります。

少しでも電話営業の成功率を高めるためにも、トークスクリプトの作成や営業トークの練習をしておき、決裁者とつなげてもらえるように工夫しましょう。

問い合わせフォームからの営業

製造業における主流の営業手法の一つが、問い合わせフォームからの営業です。見込み顧客のサイトにアクセスして、問い合わせフォームを通じて営業するといった手法が特徴です。

問い合わせフォームは、その企業の見込み顧客も使用する部分です。そのため、問い合わせ内容には必ず担当者が目を通しているため、メール営業とは異なり、件名だけでスルーされたり、他のメールに埋もれてしまったりする心配がありません。

ただ、見込み顧客のサイト一つひとつにアクセスしなければならないため、メール営業よりもやや手間がかかるのがデメリットです。

コンテンツマーケティング

近年製造業の営業手法として、コンテンツマーケティングが主流になりつつあります。コンテンツマーケティングとは、製造業のプロとして知る貴重な情報を発信し、検索エンジンからの流入を目指していく営業手法です。

例えば「板金加工」と検索したユーザーに向けて、板金加工のサービスやこだわり、お役立ち情報などをまとめたコンテンツを発信します。これにより、検索エンジンで「板金加工」と検索すると、検索結果に表示され、ユーザーにアクセスしてもらえるという仕組みです。

他の営業手法とは異なり、「見込み顧客からのアクションを待つ」のが特徴であり、受け身の姿勢が特徴といえます。ただ、コンテンツを制作するためには、Webマーケティングの知識や制作のためのリソースなどが必要です。

未経験の従業員が一から担当するには負担が大きいだけでなく、そもそも成功できない可能性があるため、専門のマーケティング会社に依頼する企業も少なくありません。

製造業のコンテンツマーケティングについては、以下記事で詳しく解説しております。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

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展示会

展示会は製造業で多く用いられる営業手法の一つです。展示会に足を運んできた来場者に、実際の製品を見せながら品質や技術力についてアピールできるのが大きなメリットでしょう。

また、対面でコミュニケーションも交わせるため、製品に対する熱意も伝えやすいのが魅力です。

さらに、展示会は業界関係者が集まる場であるため、効率よく見込み顧客と接点が持てる点も製造業におけるメリットといえます。展示会がそのまま商談の場としても機能することも多く、名刺交換やその場でのヒアリングが可能です。

しかし、展示会には出展にコストがかかったり、ブース設計や展示資料などの準備の手間・時間もかかります。展示会当日までにやることが多いことを理解したうえで、営業手法として取り入れるか否かを検討することが重要です。

製造業の展示会については、以下記事でまとめております。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

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製造業の雑誌やWEBメディアへの掲載

製造業の雑誌やWEBメディアなど、業界特化の媒体を活用することは効率的な営業手法です。業界に特化した媒体には見込み顧客に該当する読者が多いため、掲載されるだけでも一定の営業効果を期待できます。

実際、製造業に特化した媒体は、技術者や調達を担当している人、現場のリーダーなどが読んでいる傾向にあります。製造業界の技術や製品に対する理解度が高い読者が多く、反応率も高めです。

媒体に広告記事を掲載したり、事例を掲載したりすることで、自社のブランディングができます。他社との差別化につなげたり、自社の魅力を直接的にアピールしやすく、結果的に読者からの問い合わせに繋げることが可能です。

ただ、掲載費用が高額であるうえに、掲載内容に制限があったり、掲載のタイミングと読者の購買タイミングとが合わなかったりすることもあるため注意してください。

メールマーケティング

メールマーケティングは、見込み顧客に対して定期的に低コストでアプローチできる営業手法です。名刺交換で経た連絡先や、自社サイトでの資料ダウンロードでリード化したユーザーなどにメールを送信するのが特徴です。

メールマーケティングに似ている手法として「メール営業」がありますが、根本的な施策に違いがあります。

メール営業の場合、見込み顧客を狙って一通一通送信するのが特徴です。問い合わせにすぐにつながるような「貴社の○○の課題を解決できた事例があります」といったイメージの施策が主流といえます。

一方のメールマーケティングは、関係性を深めることを目的としている施策です。技術的な情報・新製品の情報を定期的に配信したり、展示会で名刺交換した相手にフォローメールを送ることが基本となります。

つまり、既存のリストを育成していくようなアプローチをすることがメールマーケティングの目的なのです。つまり、今すぐ顧客になるわけではないものの、将来的に顧客になるように育ていくようなイメージでメールを配信します。

製造業のメルマガについては、以下記事で詳しく解説しております。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

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広告施策

製造業の主な営業手法の一つが、広告施策です。Google広告を出稿することで、企業名や製品名の認知を広げることにつながります。ターゲットがSNSを使って情報収集すると考えられる場合には、XやFacebook、Instagramなどでの広告施策も適しているでしょう。

また、オフラインの広告であれば、専門のメディアや業界紙への出稿が挙げられます。専門の媒体に広告を掲載することで対象読者を絞って訴求できるため、効率的な営業が可能です。

ただ、コストの面で見ると、オンラインのほうが少額から出稿できるといったメリットがあります。予算と照らし合わせながら、現実的に無理がなく継続しやすい広告施策をリサーチしていきましょう。

製造業におすすめの広告施策については、以下記事で詳しく解説しております。

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製造業における営業の課題

製造業が安定した経営を維持するためにも、営業の課題は把握しておく必要があります。具体的に、どのような営業課題があるのか、製造業の企業担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

製造業界に特化した営業人材の確保が難しい

製造業として展開する企業が営業するうえで、課題となりやすいのが業界に特化した営業人材の確保が難しいことです。製造業は、技術の知識といった専門的な情報を持ち、適切に自社の魅力をアピールできるような営業スキルを持つ人材が必要でしょう。

しかし、現状としては両方を持ち合わせた人材は少ないものです。とくに、近年は技術知識と営業スキルの両方を持つ人材は希少であり、採用活動をしても理想の人材を獲得するのは難しい傾向にあります。

新規発注を獲得するハードルが高い

製造業の営業課題として挙げられるのが、新規発注のハードルの高さです。そもそも企業間で取引するハードルが高く、顧客側が取引先を変更することを避けたがる傾向にあります。

BtoB取引は信頼構築の構築に時間がかかりやすく、実際に契約してから後悔するケースを避けたいのが本音です。むやみに取引先を変更して失敗してしまうと、時間・お金のコストを無駄にしてしまうため、既存の取引先を優先しやすいのが現状なのです。

また、新規の取引先とのやりとりがスタートすると、見積もりや仕様調整など初期対応の工数に追われてしまいます。結果的に、担当者の負担になるため新規発注を検討しにくいといった背景があるのです。

営業マンの属人化しやすい

製造業の営業は、長年の信頼関係に基づいたやり取りが多く、結果として担当者個人の力量や関係性に依存する属人化が生じやすいのが課題です。実際、「あの営業担当がいたから取引が続いている」といった状況は意外にも多く存在します。

属人化が問題となるのは、担当者が異動・退職したときです。引き継ぎが不十分だったり、顧客情報が個人のメモや頭の中にだけストックされている状態では、その後の対応に支障が生じてしまうかもしれません。最終的には、取引が止まったり、信用を失ったりするリスクがあります。

また、営業プロセスの標準化がされていないと、組織全体での改善・効率化も進みません。今後の営業体制を強化するには、顧客管理や営業支援ツールを活用し、営業活動を仕組み化する取り組みが重要でしょう。

受注生産や短納期商材だと売上予測を立てにくい

製造業の営業で課題として挙げられるのが、売上予測の立てにくさです。製造業の場合、受注生産や短納期案件など多種多様な受注を受けます。場合によっては、案件の立ち上がりまでが長く、パイプライン管理が難しい場合もあるでしょう。

結果的に「案件はあるものの、いつ決まるか分からない」といった事態に陥ってしまうのです。さらに、そもそもヒアリング不足によって、受注見込みの精度も低い場合もあります。

売上予測は、企業の経営に問題があるか否かを判断するうえでの貴重な情報源です。営業プロセスを見える化して、状況をきちんと終えるように工夫する必要があるでしょう。

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製造業で使える効果的な営業戦略

製造業が効果的な営業を実現するためには、そもそもどのような戦略が存在するのかを把握する必要があります。

ここからは、製造業で使える効果的な営業戦略として、知っておくべき施策を解説するため参考にしてみてください。

紹介や関係者のつながりを活用する

製造業が使える営業戦略として、効果的なのが紹介や関係者のつながりを活用することです。既存顧客からの紹介の場合、すでに紹介される企業が契約を前提としていることが多く、成約率が高い傾向にあります。

また、すでに顧客である企業の中で、別の見込み顧客を紹介してもらえるケースも少なくありません。一つの企業の中で複数のプロジェクトが進行していることは多いため、他の技術者や別の部署など、また自社とつながれていない存在が隠れています。

顧客の社内で他に紹介してもらえそうな部署やチーム、人材がいないかを相談してみましょう。

なお、関係者とのつながりを活用するには、外部の協力会社や業界・団体にアプローチすることがおすすめです。同業者や仕入れ先、過去の取引先など、何らかのつながりがある企業に相談してみましょう。

とはいえ、「紹介してください」と切り出したところで必ずしも紹介してもらえるとは限りません。紹介する側としても、本業が忙しかったり、面倒であったりするからです。そのため、紹介制度やキャンペーンなどを設けて、紹介者がお得に自社製品・サービスを活用できるように工夫しましょう。

Webマーケティングに取り組む

製造業の営業を成功させるためにも、Webマーケティングを始めてみましょう。Webマーケティングは、ターゲットが企業であれば必要な施策です。

ターゲットが検索エンジンから自社サイトにアクセスし、そのままお問い合わせへと進むようにするためには、Webマーケティングが欠かせません。

具体的な施策としては、以下が挙げられます。

  • 検索されるキーワードでSEO対策を実施する
  • 実績・事例・FAQを掲載する
  • サイトをスマホに対応させる
  • ホワイトペーパー、SEOコンテンツなどを作成・公開する

Webマーケティングに取り組むことで、ターゲットからのアクションを増やせるため、結果的に営業マンからのアプローチが不要です。営業工数を削減することにつながり、商談などのような、とくに注力すべき対応に時間・手間をかけられるでしょう。

製造業のマーケティング施策については、以下記事で詳しく解説しております。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

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SFA・MA・CRMなどのツールを導入する

製造業が知っておくべき営業戦略として、SFAやMA、CRMなどの活用が挙げられます。

SFAとは、営業活動の可視化・管理ツールであり、営業活動を見える化したり、記録・管理したりするために活用します。

具体的には、「フェーズ別に商談を管理」「売上予測の管理」「訪問や電話、メールの記録」などが可能です。

MAは、見込み客へのアプローチを自動化するツールです。最適なタイミングで必要な情報を届けるためのサポートをします。例えば、メールの自動配信やサイトの閲覧履歴のトラッキング、資料をダウンロードしたユーザーのスコアリングができるのが特徴です。

CRMは、顧客情報を蓄積・共有して関係性を深めるツールであり、既存顧客との関係性を管理することが目的です。顧客情報を一元管理したり、契約履歴やトラブル履歴を記録したりするなど、さまざまな顧客情報を管理できます。

SFA・MA・CRMを適切に活用することで、「リード獲得 → 育成 → 商談 → 顧客管理」がスムーズに一本化できるのが魅力です。営業担当者の工数を削減できるだけではなく、営業活動の質を高めることにもつながるでしょう。

製造業が新規開拓をしなかった場合のリスク

製造業にとって、営業活動を通した新規開拓は必要です。しかし、新規開拓を後回しにして、既存顧客との関係構築に注力してしまうと、さまざまなリスクが生じてしまいます。
ここからは、製造業が新規開拓をしなかった場合に起こりうるリスクについて解説します。

繁忙期・閑散期の波の影響を受けやすい

製造業が新規開拓をしなかった場合、繁忙期や閑散期の波によって、安定した利益を得にくくなります。既存の取引先全てが、安定して発注や契約更新をしてくれるとは限りません。取引先にも都合があるため、繁忙期や閑散期が生じてしまう可能性があるのです。場合によっては、閑散期が長期化して自社の利益が減少する恐れもあります。

繁忙期や閑散期の影響を避けるためにも、受注タイミングが異なる企業を開拓していく必要があるでしょう。ちなみに、新規開拓で獲得した顧客は、既存の顧客よりも条件を交渉しやすい場合があります。

既に従来の方針で発注・契約をしてきた既存顧客に対して、条件の変更を申し出るのは難しいものでしょう。取引先としても、条件が悪くなるということであれば発注先を変更することを検討するかもしれません。

しかし、新規顧客ならゼロベースから提案ができるため、自社にとっても有利な条件で発注してもらえる可能性があるのです。新規開拓はさまざまなメリットがあるため、製造業にとっては必須の営業戦略といえます。

製品・サービスを多様な業種に対応しにくく収益が不安定になりやすい

製造業が新規開拓を避けていると、収益の安定性に影響を与える可能性があります。

特定の業種・業界の取引先に依存していると、時代や環境の変化への対応が難しくなるのです。

例えば、自動車業界向けの部品製造を主力としている企業が、その業界の景気低迷やEV化などの変化に伴い、売上が大きく減少することがあります。新規開拓で異業種の案件にも対応していれば、特定分野の落ち込みを別の業種・業界でカバーしやすくなるのです。

また、多様な業界と取引を重ねることで、製品開発や加工技術の応用力も向上できる場合があります。製品や技術の応用力が高まれば、他社との差別化につながり、競争力を高めることもできるでしょう。

製造業は市場の変化や競争が激しいため、取引先の業種を分散することを目指すことが重要です。

製造業が新規開拓を目指すためのコツ

営業が新規開拓を目指すためにも、コツを抑えたうえで戦略を練り、実施していく必要があります。具体的にどのようなコツがあるのか、以下をチェックしていきましょう。

目標を明確に設定する

製造業が新規開拓を実現するために必要なのが、目標の明確化です。現場によっては「とにかく契約数を増やす」「営業のアプローチ数を増やす」など、漠然とした目標であることも少なくありません。

しかし、新規開拓では、目標の数値を具体的に設定することが重要です。たとえば、「新規で医療機器業界に参入し、半年以内に3件の受注を獲得する」「食品製造業界への新規参入が可能かを見極めるために、3ヶ月間で10件の商談を実施して市場ニーズを調査する」といった形で、明確な数値と期間を設定する必要があります。

目標設定が漠然としていると、成果が見えにくくなるだけでなく、営業活動の改善点も把握できません。

また、目標を設定する際には、期限を設けることもおすすめです。

「いつまでに契約数10社獲得するのか」と期限を設けることで、施策の優先順位が分かりやすくなるうえに、目標達成できそうかを日々判断しながらアクションを考えられます。

売上だけでなく、リード獲得や商談数もKPIに入れながら、営業チームが同じ認識を持って営業活動を進められるように目標設定しましょう。

現状を適切に把握する

製造業の新規開拓では、そもそも現在の営業活動にどのような課題があるのか、何が成果につながっているのか、などの現状を把握することが重要です。

現状を把握するためのチェックポイントとしては、以下が挙げられます。

  • 現状の営業フロー
  • 受注率
  • 成約までの期間
  • リードの導線
  • 自社の強みが整理できているか否か
  • 失注の多い案件
  • リピートされやすい案件

まずは上記を自社の営業状況と照らし合わせながら、現状把握を進めていきましょう。そのうえで、ボトルネック(商談化率が低い等)を洗い出していくことが重要です。

SFAやCRMなどのツールを用いて、営業活動の現状を可視化してみるのも良いでしょう。

ターゲットをペルソナ形式で作ってみる

ペルソナの設定項目

製造業の新規開拓のためにも、ターゲットをペルソナ形式で作成してみてください。ペルソナは、企業が理想とする顧客像を具体的に描くことです。ターゲットよりもさらに細かく人物像を設定していきます。

ペルソナのイメージは以下の通りです。

【ペルソナ作成例】

  • 業種:医療機器メーカー
  • 職種:調達の担当者
  • 悩み:品質と納期が両立している外注先が見つからない
  • 担当業務:外注先の選定・価格交渉・納期調整・品質チェック
  • 過去の失敗体験:試作段階で不良が続出、営業が言ってた話と違う品質にがっかりした経験がある
  • 情報収集の手段:Google検索・展示会で名刺交換した企業のHPチェック・他部署の紹介
  • 性格・対応傾向:基本は慎重。数字や実績で納得できると早い。メール派、電話は最低限

実在しそうな特定の人物像をペルソナとして設定しましょう。ペルソナが明確になれば、営業施策やアプローチ先を絞りやすくなり、より効率的な営業が可能です。

また、メール・記事・電話トークもペルソナごとに調整することをおすすめします。常に「誰に向けたアプローチなのか」を意識することで成果を得やすい営業につながるでしょう。

競合よりも優れている部分を打ち出していく

製造業が新規開拓を目指すにあたって、進めていきたいのが自社の優れている部分の訴求です。製造業といえば、技術力や価格、対応力などを差別化要素として挙げていることが多い傾向にあります。

その際には、きちんと事例や実績など数値を用いてアピールしたり、他社との比較表で自社が優れていることを強調したりする工夫が必要です。

また、なるべく具体的な訴求も心掛けましょう。例えば、「小ロット対応」「特殊材質への実績」「柔軟な納期調整」「技術者の対応力」などは他社との差別化につなげやすい部分です。

埋もれている強みがないか、現場や営業などがチームとなって洗い出していきましょう。

モニタリングで定期的に評価する

製造業の新規開拓では、定期的なモニタリングが必須です。単純に営業での行動量を増やすだけでは、成果を上げ続けることは難しいのが現状でしょう。商談数や受注数、失注の理由など、さまざまなKPIを定期的にチェックし、その都度改善策を練っていくことが求められるのです。

モニタリングの頻度は企業によって異なるものの、月次・四半期ごとが一般的です。モニタリングして効果の高い手法を洗い出し、無駄な施策をカットしていくことで、効率的な営業活動が目指せるでしょう。

サイト上のアクセスや問い合わせ数などの確認方法は、無料で利用できる「Googleアナリティクス」が便利です。

また、営業日報が貴重な情報源となることもあるため、営業に関わる資料は全てモニタリングの対象として、施策の改善のヒントとして活用していきましょう。

まとめ

製造業における営業手法は数多く存在します。しかし、さまざまな営業手法をやみくもに実践していけば良いというものではありません。正しい営業手法を知り、自社に合う施策を取り入れていくことが重要です。

とはいえ、営業には工数も時間もかかるものでしょう。とくに、Web関連の営業施策においては、社内に精通した人材がいないと、スタートに時間も手間も要します。

ファインドユニークでは、そんな製造業のWeb関連の営業施策をサポートしています。BtoB向けのSEOコンサルティングサービスや、マーケティングサービスなど、さまざまなプランを展開しているのが特徴です。

予算に合わせた施策提案も可能であるため、ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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